八神くんのお気に入り
その瞬間顔が熱くなるのがわかった。
恥ずかしい。
キスされるのかと思ってたから…目、閉じてしまった……。
絶対赤くなってるであろう顔を隠すように両手で覆う。
うぅ…。
私のバカバカ…。
「してたよ。嫉妬」
「……へ!?」
開き直ったのか、面倒臭そうに視線を逸らし、再び私を見つめた八神くん。
「莉子のこと好きって言っただろ?」
真っ直ぐ見つめる瞳がより一層私をドキドキさせる。
「他の男から嬉しそうに何か貰ってたら、そりゃ嫉妬の1つや2つするだろ」
違う……面倒臭そうな表情じゃない…。
八神くん…怒ってるんだ…。
「本当はその唇にかぶりつきたかったけど、莉子に嫌われたら嫌だから…」
「かぶ…っ!?」
驚いてる私に八神くんは優しく笑ったんだ。