八神くんのお気に入り
でもそんな事言われると、ちょっと心配だな…。
大丈夫!
…大丈夫。
根拠のない自信を無理やり作って、私は教室を出た。
ザワザワと賑わう昇降口。
銀髪の彼がいるのかと思うと、下駄箱に近づくにつれ、ドキドキして、すっごい緊張した。
キョロキョロと辺りを見渡すけど…
いないや。
良かった。
私は下駄箱から取り出した靴を下に置いた。
いたらどうしよかと思ってた。
もうっ
菫が変なこと言うから無駄に緊張したよ。
帰ろ帰ろ。
白いマフラーを巻いて、私は歩き出した。