八神くんのお気に入り

「やだー何でいるの?」

「すっごい帰りにくいんだけど」






私の前を歩いていた2人組の会話に疑問を抱いた。



顔を上げると何人かの人が止まってる。



??



「なんか睨んでね?」

「何であんな所にいるんだよ」

「でも1人だし、マシな方じゃない?」



みんなの視線の先を見ると、どうやら正門にその元凶があるらしい。



正門を通る人は何故か大回り。



??



誰かいるの?


そう思った瞬間、全てがわかった。



「小早川さん」


私の存在に気付くなり、その人は私の元まで来たんだ。



「八神の知り合い?」


不意に遠くから聞こえた声。



そう。


あの銀髪の彼が、ザワザワと騒めいていた原因なんだ。



「話があるんだけど」


「…へ…?」



終わった。


昨日と言い、今日と言い…


銀髪の彼の機嫌を損ねたんだ…



私、殺される。


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