八神くんのお気に入り
「いつ落書きする時間があるんだ?」
原田くんの言葉にハッとした。
「あっ!」
「俺等は自由時間が欲しくて真っ先に部屋に行った。他の奴らはだいぶ経った後部屋に向かった」
「そっか…落書き出来るのは1組と2組と3組だけなんだね……」
「そう言うこと」
「なるほどね〜」
面白そうに笑った原田くんの表情はちょっぴり怖くて…。
「無くなった物は見つかったの?」
「わかんねぇ。教科書とか俺使わねぇし、私物の把握してねぇから…」
「そっか…」
♪♪〜♪
着信音にビックリして再び身体が飛び跳ねた。
わわっ…!
携帯のディスプレイには“お母さん”と表示されていた。
着いたのかな…!?
急いで通話ボタンを押して、携帯を耳に当てる。