八神くんのお気に入り

「紅茶、買い取ろうか??」

「えっ!?いや、いいよ。悪いし」

「今、紅茶飲みたい気分なの」


佐々木くんが気を使わないようにニッコリ笑って見せた。


「じゃあ」


少し申し訳無さそうにお金を貰った佐々木くん。



「お待たせ〜。ん?佐々木じゃん。どうしたの?こんな所で」


うどんを持った菫が帰ってきた。


「それさっき聞かれた」

なんて言って笑った佐々木くんに、私も一緒になって笑ってしまった。



「じゃあ、待たせてるから」

「ん。じゃーねー」


佐々木くんが私達から離れて行くのを見送っていると

「あれ?莉子これどうしたの?」

菫の言葉にドキッとした。




「莉子、紅茶あんまり飲まないよね?」


……。



やっぱり菫にはバレてしまうわけで。


< 426 / 511 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop