八神くんのお気に入り
「何か佐々木くんが可愛そうだから買い取ったの……菫、飲む?」
「いや、うどんに合わないし」
「そうだよね〜」
持って帰ってお母さんにあげようかな。
お母さんなら飲んでくれるはず。
お弁当箱を開けてそんな事を考えながらご飯を食べ始めた。
「小早川さん!」
大声で名前を呼ばれ、ビックリして肩が飛び上がった。
「え?佐々木くんどうしたの?忘れ物??」
走ってきたのか、少し息が上がってる。
だ、大丈夫かな??
「んーまぁ、そうだね」
ハハッと笑った佐々木くん。
「はいコレ」
そう言って佐々木くんは私の前にプリンを置いた。
……。
「へ?」
状況が理解出来なくて、ただただプリンと佐々木くんを交互に見つめる。