八神くんのお気に入り

「やっぱ紅茶を小早川さんに渡すのは悪いと思って。だからコレもあげる」

「そんな……プリン高かったでしょ??」

「そんな困った顔しないでよ。俺があげたくて買っただけだから」

「で、でも……」


気を使わせないようにしたつもりが逆に気を使わせてしまった。



「小早川さんは優しいね」



「せっかくの好意、貰ってあげなよ」

「そうそう。プリンの行き場も無いし、俺かっこ悪いじゃん」


冗談っぽく笑う佐々木くん。



2人にそう言われると頷くことしか出来なくて、佐々木くんからプリンを受け取った。



「じゃあ今度こそ俺は行くから!」


くるっと回って私達から離れて行く佐々木くんの背中に向かって叫んだ。



「あ、ありがとう、佐々木くん!!」



佐々木くんはニッコリ笑って食堂を出て行った。



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