八神くんのお気に入り

「ムカつくんだよ。今まで怖がられてたのにかっこいいとか話題になって。だから株を下げてやろうと思ったんだ」


佐々木くんはズンズンと歩いて来て、一気に距離が縮まった。


「あと八神くんから小早川さんを奪ってやろうと思った」


……え?


「どうし、て……?」


バチッと視線が絡み、私は目が合わせられなくて下を向いた。


少しずつ後ろに下がると壁にぶつかった。



もう逃げられない。



それでも佐々木くんは距離を縮めて来て、壁に手をついた。



「八神くんの好きな人がこっちに来れば、絶対ショック受けるでしょ?」


……え……。



「だから小早川さんだけには見つかりたくなかったんだよね。計画が丸潰れだから」

「さ、最低!!」


私……佐々木くんのこと……

「良い人だと思っていたのにっ!!」


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