八神くんのお気に入り
「人聞きが悪いなぁ。計画知らなかったら小早川さんには害がないんだよ?あるのは八神くんだけ」
「もう辞めてよ!私、誰にも言わないからっ!」
佐々木くんから距離を取ろうと身体を押したけど、びくともしなくて腕を掴まれた。
っ!
「それは出来ないな。でも、小早川さんには誰にも言えないようにしなきゃね」
ニッコリ微笑む佐々木くん。
や……怖い……。
「何が良いかな?キス?」
「い、いや……」
佐々木くんから逃げるように顔を逸らす。
「そうだね。キスマークにしよう」
その瞬間、首に生暖かい感触を感じた。
嫌っ……
助けて。誰かっ……!!
「八神くんっ!」
そう叫ぶとガラッとドアが開く音がして、
「うわっ」
佐々木くんが後ろに倒れた。