八神くんのお気に入り
「くっ……」
八神くんが手を離すと、佐々木くんはその場に崩れ落ちた。
「まさか佐々木だったとはね。幻滅したわ。行こ、莉子」
その声に私はみんなのもとに駆け寄った。
私の前を歩く3人。
「とんだナルシストじゃねぇか」
「……」
胸に引っかかるものがあって……モヤモヤする。
教室から出る前にチラッと佐々木くんを見ると俯いたままで……。
「あ、あのっ!八神くん……」
八神くんを呼んだのに3人が振り返って……余計言い難くなる。
でもっ……!
「こんな事言ったら、頭がおかしいんじゃないかって思われるかもしれないけど……佐々木くんを許してあげてほしいの」
「何言ってんのよ莉子!?あんたも散々言われてたじゃない!」
「そう……だけど、でもっ!」