八神くんのお気に入り
「そんなクソ虚しいことするかよ」
「なら安心」
葵ちゃんって、葵さんのことだよね?
まさか、葵さんの話になるなんて……。
2人の会話に耳を済ませる。
「同じ学校なんだろ?莉子ちゃん会ったことある?どんな人?」
「へ?あ……、え?」
まさかふってくるとは思わなくて、思いっきり動揺してしまった。
それに葵さんには会ったことなくて、私も八神くんの話を聞くまで他校の人だと思っていたし、もしかしたら実在しないのかと思っていたまで。
私も葵さんのこと知りたい。
「1個上で美人」
「年上かよ〜いいなぁ」
「別に」
「別にって何だよ。だいぶ嫌ってんな?」
1個上って事は3年の先輩??
「あいつの話はしたくねぇ」
「何があったんだよ」
なんて黒髪の彼は冗談交じりに聞き、笑っていた。