八神くんのお気に入り
伝えたい想い
「莉子ー!!」
教室で私を見つけるなり、菫は勢いよく私の席に来た。
「お、おはよ。朝から元気だね」
「そんな暖気な事言ってる場合!?」
へ?
慌てた様子の菫は、走ってきたのか息が少し荒くなっている。
それを見て、真面目な話なんだって思った。
ゴクリと唾を飲む。
「何かあったの?」
「葵さん……、学校にいた……」
……へ?
あ、そっか。
菫、学校で葵さん見ないから他校じゃないかって言ってたもんね。
でも私はこの間、八神くん達が話してるのを聞いたから同じ学校なのは知っている。
だから驚くこともなく。
「なぁんだ。もっと重大な話かと思った」
なんてアハハと笑って見せたのに、菫は目をまん丸にして驚いていた。
「え、あんた……大丈夫なの?」
「え?」