八神くんのお気に入り
「今、八神のクラスに葵さんがいるんだよ?」
「……えっ!?」
八神くんの、クラスに……いる?
葵……さん、が……?
え……ちょっ、え??
待って。頭が……混乱する。
「何と勘違いしてたの!?」
「や、葵さん……ここの学校の生徒って……言ってるのかと……」
ば、バカ。
何が生徒よ……よく考えたら“いる”って言ってるじゃない……。
でも、何で……葵さんが……?
今まで、全然姿を見せなかったのに……。
すごく嫌な予感がする。
「や、八神くんのクラスに行ってくるっ!」
「待って、私も行く!」
返事も聞かず走り出した私の後を菫は追いかけ、一緒に八神くんのクラスに向かった。
5組に向かっている途中で、菫は自分が見たものを教えてくれた。