八神くんのお気に入り

朝の光景が頭から離れない。


「八神くんは……葵さんのこと、好きなのかな?」

「でも莉子、好きって言われたんでしょ?」

「うん……」

「だったら大丈夫なんじゃないの?」


「小早川さんが気にしてるの、葵さんが事故だったって事だろ?」


え……何で……わかったの……?

私は小さく頷いた。


「葵さんに裏切られたから、どうでもいいって言ってた。でも、それは……裏切られた話で……実際は、裏切ったんじゃなくて……事故で、行きたくても行けなかった……」


答えが1つしか見えなくて、

「そういう場合は……どうなるの?」



裏切られてなくて、葵さんは今でも八神くんのことが好きみたいで……


「裏切ってるんじゃなかったら、八神くんが葵さんを嫌う必要が無くなる」



だったら2人は……


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