八神くんのお気に入り
「惚れさせるから」
「…え」
八神くんを見ると得意げな顔をしていた。
ドキッ
いや、
いやいやいや。
八神くんの表情に
“もしかしたら好きになるんじゃないか”
って思ってしまった。
そんな思いを消すために私は頭を振った。
あり得ない。
だって怖いって有名な人だよ?
バチっと目が合う。
「小早川さんは俺を好きになる」
八神くんは最後の花びらを切り離した。
「俺を好きになる覚悟しとけよ?」