八神くんのお気に入り

「私が入院してる間に他の女のところに行っちゃうなんて酷すぎるっ!!」

「葵が病院に運ばれたのっていつだ?」

「……え?」

「あの日の夕方……俺が約束してたのは昼だったよな?」


え……それって……


「矛盾してるよな?事故現場は学校からだいぶ離れた場所。……夕方まで何してたんだよ?」

「そ、それは……」

「俺はあんたが来るのをずっと待ってたんだぜ?何で学校出てんだよ?」



図星なのか、葵さんは何も言ってこなくなった。

俯いて、スカートを握り締めている。




「行こう。莉子」

八神くんは葵さんに背を向け、私の手を引きいた。




「待って!!何で私じゃダメなの!?あんなに相性良かったのに……もう1回ヤろ?そしたら楓も思い出すはず……!」


ヨロヨロと歩いてくる葵さんを八神くんは押し除けた。


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