八神くんのお気に入り

少しずつ

《 side-Kaede 》



莉子が彼女になって１週間。



少しでも長く莉子と一緒にいたい思いから、毎日一緒に帰ってる。



「八神く〜ん」

嬉しいそうに手を振って走ってくる莉子は、やっぱり誰よりも可愛い。


「もう終わったのか？」

「うん！」


イベント係の集まりから帰ってきた莉子はどうやら俺のクラスに寄った様子。


「もうあいつとは大丈夫なのか？」

「あいつ？？」

キョトンとする顔さえ可愛い。


「あいつだよ、スカしたヤロー」

「スカしたとか失礼な！爽やかと言ってくれない？」

「佐々木くんっ！」


莉子の背後から出てきたそいつは、嘘くさい笑顔で莉子に何かを渡していた。


「はい。シャーペン忘れてたよ」

「あっ！ありがとう！」


あれから何かしら絡んでくるようになったから逆に心配になる。