八神くんのお気に入り
「八神くんがものすごい顔で睨んでるから俺は帰るね」
当たり前だ。
そんなあいつに手を振る莉子にも腹が立ちそうで。
背後から莉子を抱き寄せ、その柔らかい唇にキスをした。
「んっ」
1回じゃ満足出来ないから何度も何度も角度を変え唇を重ねると、時々莉子の口から甘い声が漏れる。
唇が離れると、真っ赤な顔をした莉子は恥ずかしさから俺の胸に顔を埋める。
それが可愛くて、またキスをしてしまうんだ。
「キスでこんなんだったらその先はどうするんだよ?」
「へ?」
両手で顔を覆っていた莉子は驚いた様子で俺の顔を見た。
「俺は莉子にキスしたいし、もっと触れたい」
……まぁ、無理やりはしねぇけど。
ジーッと莉子を見つめると、段々と顔が赤くなっていく。
それを見ると、意地悪したくなってくるわけで。