八神くんのお気に入り

「嫌?」

「えっと……」

「好きだから触れたい。莉子は俺が嫌い?」

「好き……」


髪の毛にそっと手を伸ばして、その長い髪の毛を耳にかけた。


耳まで赤くなってる。


あー……その耳、噛みたい。



「じゃあ……良い?」


その質問に莉子は身体を固めてしまい、目には涙を浮かべていた。


やべ。やり過ぎた。


莉子にはやっぱりまだ早いみたいで、頭を少し乱暴に撫でた。

「ゆっくりならしていこうな」


コクンと頷く莉子が、何か素直で可愛いって言うか何て言うか……。


ズルイよなぁ。


「キスは毎日する。良いよな?」

「……うん」


あー……くそ。可愛すぎなんだよ。


何だよその服を掴むやつ。


控えめに掴んで伏せ目がちとか、あざと過ぎんだろ。


無理。我慢できねぇ。


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