八神くんのお気に入り
だからもう1回する。
俯いてる莉子の顔を上げるために、顎をクイッと上げた。
至近距離で絡む視線に、莉子の瞳は潤んでて一瞬理性が飛びそうになった。
くそっ。
いろんな意味で今は出来ねぇ。
離れると「しないの?」とか言うから、まじで飛びそうになる。
今莉子の顔は見られねぇから顔を片手で隠した。
「頼むから煽んないで」
はぁ……。
俺も少しずつ莉子の破壊力に慣れないとな……。
────…
学校を出て、今日はそのまま送ることにした。
このまま一緒にいたらいつ理性が飛ぶかわかんねぇから。
だからといって距離を置く訳でもなく。
「莉子、今度の日曜日どっか行かねぇ?」
「行きたい!」
即答かよ。
「どっか行きたい所ある?」
「んーっとね……」