八神くんのお気に入り

「そんな髪をした君に莉子はやらんよ」

莉子のお父さんをギロリと睨んでしまう。


「お父さんっ！八神くんは良い人だよっ？」

「騙されてるんだ莉子。こういうやつに良い人はいない」


偏見じゃねぇかよ。



「莉子はもっと誠実な人と付き合うべきだ。そう言えばお母さんから聞いたぞ、噂で酷い目にあったって……その原因は君なんじゃないのか？」


「そ、それは……」



俺がこんなんだから、どうやら歓迎されてないみたいだな。



「とにかく俺は反対だからな。先に帰るから、その関係を終わらせておくんだ」

そう言った莉子のお父さんは、俺達に背を向け家に帰っていった。