八神くんのお気に入り

お父さんの言葉に涙が出てくる。



「うん……そうなんだよ……八神くん、すごく優しいの」



「明日、彼に謝っておいてくれないか?」


「……え?学校に、行っていいの?」


「あぁ。悪かったな」


その瞬間止まることを知らないかのように涙がブワッと出てきた。



八神くんの事認めてくれた。


早く八神くんに伝えたい。





「……ありがとう……ありがとう……お父さん、ありがとう……」


「ほら莉子、明日は学校なんだからお風呂に入って寝なさい」

お母さんが優しく背中を押して、お風呂場に連れて行く。





「良かったわね、莉子」


涙が止まらなくて、グズついてる私にお母さんは優しく頭を撫でてくれた。


「……うん……」

「ほら、目が真っ赤になったら明日笑われるわよ?」

「うんっ……」


止めたいのに止まらない。



「あらあら」


そんな私にお母さんは少し困ったように笑ったんだ。



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