八神くんのお気に入り
「お父さんが八神くんとのこと、許してくれた……!」
「は……?マジで??」
「うんっ……」
あ、あれ?
何で涙が出てくるの??
嬉しいはずなのに……。
涙を何度も何度も拭ってると、八神くんが私を優しく抱きしめた。
「大丈夫か?」
その声が優しくて余計に涙が出てくる。
「見た目で判断し過ぎたって謝ってた」
「はは、仕方ねぇな」
「後ね、約束しっかり守ってくれって」
少し間が空いて、八神くんは口を開いた。
「言われなくても守るから」
「ねぇ、約束って何?お父さんと何か約束したの?」
「ん?秘密」
私から離れた八神くんは悪戯っぽく笑って見せた。
「今度改めて紹介してよ。そん時に、お礼言いたいからさ」
「うんっ!もちろんだよ!」