八神くんのお気に入り
「今何言った!?」
「何にも〜?」
「嘘つくな!何にも言ってないんだったら莉子の顔が赤くなるわけないだろ」
逃げ回る原田くんを八神くんが追いかけてる。
何か、子供みたい。
「あはは、騒がしいな」
隣に来た菫に、私も一緒になって笑った。
“相当気に入られてるから”
振り返れば八神くんの愛情は充分すぎるくらいあって……
自惚れちゃうくらい、ずっと前から気に入っててくれたんだね。
いつもいつもありがとう、八神くん。
大好き。
透けるように綺麗な銀色の髪が、光に反射して1段とキラキラ輝いていた。
【END】