八神くんのお気に入り
教室についても話が止まらない私達。
それぞれの席に行き、お弁当をカバンに入れ、机の中から教科書を取り出す。
まだ教室に何人かいる。
「私、実験!確か前の授業でそんな事言ってた気がする」
菫の机に向かってそう叫んだ。
「え、じゃあ私も実験!」
「もー!一緒だったら賭けにならないよー」
あははって笑う私に、
「だって莉子、私と違ってしっかり話聞いてるから」
なんて言ってる菫。
ガラッ
勢いよく開いた扉に教室が静まり返る。
そこには派手めな2人の男子が立っていた。
「このクラスに小早川さんいる〜?」
誰…?
知らない顔…。
「おーいっ!!」
そう言ってもう1人の先輩が近くにあった机を叩いた。
バーンッと大きい音が教室内に響く。