八神くんのお気に入り

「何シカトしてんの?俺ら先輩だけど」


怖くて鼓動が早くなっていくのがわかる。



「わ、私です」

小さく上げた手が、震える。



入り口にいた2人は顔を合わせるとニヤリと笑い、ズンズンと勢いよく教室に入ってきた。


至近距離の2人が怖くて、うまく息が出来ない。




朝から噂で持ちきりだった


廊下から見られては、何かひそひそ言われる事が多かった。


けど…

なんだか…今回は、今までのとは違う…。




怖い…




「へぇ」

「ま、可愛いんじゃね?」

「ねぇ」


1人の先輩が顔を覗き込んできた。


「八神とヤったって噂聞いたんだけどさ」



な…んで…

そんな噂まで流れてるの…??



< 59 / 511 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop