八神くんのお気に入り
「何シカトしてんの?俺ら先輩だけど」
怖くて鼓動が早くなっていくのがわかる。
「わ、私です」
小さく上げた手が、震える。
入り口にいた2人は顔を合わせるとニヤリと笑い、ズンズンと勢いよく教室に入ってきた。
至近距離の2人が怖くて、うまく息が出来ない。
朝から噂で持ちきりだった
廊下から見られては、何かひそひそ言われる事が多かった。
けど…
なんだか…今回は、今までのとは違う…。
怖い…
「へぇ」
「ま、可愛いんじゃね?」
「ねぇ」
1人の先輩が顔を覗き込んできた。
「八神とヤったって噂聞いたんだけどさ」
な…んで…
そんな噂まで流れてるの…??