八神くんのお気に入り
「ちょっと!やめてください…!」
そう言った菫は私の元へ来た。
その瞬間、
パシッ
菫が私の目の前で倒れ込んだ。
「キャー!!」
え…
教室にいた女の子達の悲鳴に、頭が真っ白になっていた私は我に返った。
一瞬すぎて何が起きたかわからなかったけど、菫の頬が赤くなっていた。
きっと先輩に頬を叩かれたのだ。
「菫!!!」
菫のそばに行こうとしたのに、グッと身体が止まる。
動けない。
先輩に腕を掴まれてる。
「は、離して…!」
腕を振り回すんだけどビクともしない。
「お前らもさー、こいつみたいにとばっちり食らいたくなかったらここから出て行った方がいいぜ?」
その言葉に教室にいたみんなは急いで出て行った。