八神くんのお気に入り
嫌だ…
離してっ…!
「菫!菫!」
その場で菫の名前を呼ぶことしかできない。
菫の口から血が出てきていた。
嫌だ
菫、返事してよ…!
涙で視界が歪んでくる。
「あいつとラブホに行ったんでしょ?」
グッと先輩が私にくっつく。
「やっ…」
「俺らも相手してよ」
耳元で囁く声が気持ち悪いと思ってしまう。
「おい、八神が来たらヤバくないか?」
菫の近くにいる先輩が焦るようにそう言った。
「バーカ。今日あいつ来てねぇみたい」
「ならコイツを八神に言えない用にすれば大丈夫か」
「そう言う事」
もう、嫌…。
何でこんな事になるの…?
有る事無い事噂して、話が大きくなってて…
菫まで巻き込んでしまった。