八神くんのお気に入り
「取り敢えず八神、来い」
先生に腕を掴まれる八神くん。
「はっ、…ざまあねぇな…八神…」
机の上に倒れ込んでいた先輩が、息を切らしながらそう言った。
「お前もだ」
そう言った別の先生は先輩に肩を貸していた。
先輩に肩を貸している先生が急に振り返る。
「君も来るんだよ」
「菫、菫は…!」
抱きしめる菫を見た別の先生がしゃがみこみ、優しい口調で話し出した。
「彼女と彼は病院に連れて行くから安心しなさい」
「……」
その言葉に、私は抱きしめていた手を離した。