八神くんのお気に入り
俺が守るから
階段から降りて玄関に向かう途中で、台所で叫ぶお母さんの声が聞こえた。
「莉子ーもう大丈夫なの?」
「大丈夫ー!」
「無理はしないでね」
「はーい!行ってきまーす」
バタンと玄関のドアを閉めた。
空を見上げると、雲ひとつない青空だ。
3月上旬。
終了式まで午前中授業となった。
結局、教室に戻りづらかった私はあの日、早退した。
お母さんが、すごくすごく心配してた。
みんな口を揃えてこう言うんだ。
『関わったらいけない』って。
はぁ〜
たしかに、そうなんだけど…
そうなんだけどね…
なんかちょっと…
んー…
モヤモヤする。
はぁ〜
ため息止まらないよ…。