八神くんのお気に入り
「胸ぐら掴んで探してんだもんな。まぁそのお陰ですぐに犯人も見つかったけど」
原田くんはククッて笑ってた。
「あんな八神初めて見た」
私が…
友達やめたい
って言ったから?
苦しい
って言ったから?
だからそんな事してくれたの??
「小早川さんがそれを聞いてどう思うかは知らねぇけど」
チラッと私を見る原田くんは何か言いたそうで…
私は目を逸らした。
「俺はそれを言いに来ただけ」
振り向きもせず、そう言った原田くんは
“くれぐれも八神には言うなよ”
と、付け足して階段を下りていった。
原田くんは気付いてたんだ…
私が八神くんを避けてた事…。
キーン コーン カーン コーン
へ!?
嘘!?
掃除終わった??
掃除終了のチャイムに私は急いで階段を下り、教室に向かった。