八神くんのお気に入り

受け取らなかった。




だからマーガレットはどんどん貯まっていって…





『うわ、すっげぇ嬉しい!』


あの時の八神くんの笑顔…可愛かったな…


本当に喜んでるのが伝わってきて…





だから

受け取れなかった…


八神くんの気持ちが伝わってきそうで…





八神くんは悪くないのに…

勝手に八神くんのせいにして

“友達やめたい”って言って…




それでもまだ

“助ける”って言ってくれた八神くんの優しい気持ち、

見ないフリをしてた…





私は唇を噛んだ。



八神くんはどんな気持ちだったのかな?



八神くんにあんなことして…


私…バカだ…




「莉子…?」

心配そうな声の菫。

「やっぱり先生に言う?」

そんな菫の言葉に首を振った。


「八神くん…なの…」


私は袖で涙を拭いた。



「…言いたい事あるなら伝えた方がいいよ?」

「……」

「ずっと悩んでたんでしょ?」

「……ん…」

「頑張りな」


< 91 / 511 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop