八神くんのお気に入り
受け取らなかった。
だからマーガレットはどんどん貯まっていって…
『うわ、すっげぇ嬉しい!』
あの時の八神くんの笑顔…可愛かったな…
本当に喜んでるのが伝わってきて…
だから
受け取れなかった…
八神くんの気持ちが伝わってきそうで…
八神くんは悪くないのに…
勝手に八神くんのせいにして
“友達やめたい”って言って…
それでもまだ
“助ける”って言ってくれた八神くんの優しい気持ち、
見ないフリをしてた…
私は唇を噛んだ。
八神くんはどんな気持ちだったのかな?
八神くんにあんなことして…
私…バカだ…
「莉子…?」
心配そうな声の菫。
「やっぱり先生に言う?」
そんな菫の言葉に首を振った。
「八神くん…なの…」
私は袖で涙を拭いた。
「…言いたい事あるなら伝えた方がいいよ?」
「……」
「ずっと悩んでたんでしょ?」
「……ん…」
「頑張りな」