八神くんのお気に入り
「どうした?」
不思議そうに覗き込んできた八神くん。
「小早川さん?」
八神くんの手が私の肩に触れる。
ビクッ
「震えてる…やっぱ怖い?」
私は首を横に振った。
「違う…違うの…!」
そうじゃ…
そうじゃなくて…
「何で…何で、探してくれたんですか??」
「アイツから聞いたのか?」
あ…
八神くんには言わないでって言われてるんだった…。
「……」
「小早川さんは大事な友達だから」
その言葉が…
八神くんの言葉が…
「苦しいよ…」
泣いちゃダメって思ってたのに…
辛いのは八神くんの方なのに…
何から言えば良いんだろう…
言いたいことがいっぱいありすぎて…
わかんなくなる
でも、
伝えなきゃっ…
八神くんのに…
「助けてくれて…ありがとうございます…
噂…止めてくれて…ありがとう…ございます…
お花…ありがと…ございま…す」
ダメ…
泣いちゃダメ