追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
……どうやらルークはこれを機に、俺の存在を村内に明かす心づもりのようだ。だけどそんなことをして、本当に大丈夫なのか。
テラス席で俺とルークがお茶などすれば、当然のことながら子供たちだけでなく、村中の大人たちの目に触れる。
諍いの種を撒くことにならないだろうか?
少年の背中が完全に見えなくなったところで、俺はルークを見上げ、目線だけで訴えた。
「……あのなカーゴ、俺だって本当は、こんな危ない橋なんざ渡りたかねえんだ。だけど元を正せば、お前がその姿を見られまくってっからいけねえんだろうが」
これには返す言葉もなく、俺はシュンと項垂れる。
「しかも坊主の話だと、お前の存在はそれなりに知れ渡っちまってるようじゃないか。こうなったら、下手な隠し立てをするより、正面切って存在を明かしちまった方がいい。それにこれは俺の勘だが、この村の住人ならお前の存在を明かしても大丈夫な気がすんだ」
……教科書通りなら、これ以上姿をさらす前に、早々にこの村を去る選択が正解だ。