追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
『っ、誰が噛みつくか! そもそも彼女を手に入れるのは俺だ! お前こそ、彼女にフラれた腹いせで、俺に姑息な嫌がらせをしてくるんじゃないぞ!』
「はははっ!」
……なんだって俺は性悪オオカミと会話をし、あまつさえ笑い合っているのか。だけど不可解なこの状況は、不思議と、そう悪いものではなかった。
俺が奴との会話を終えて外壁に舞い戻ると、ちょうどアイリーンが王妃専用の厨房を出て、ノアールの部屋に歩いていくところだった。
アイリーンは両手に、ほかほかと湯気を立てる雑炊がのったトレイを持って、にこにこと微笑んでいた。
彼女の優しい笑みに、否応なしに焦燥が募る。俺が彼女に直接微笑みかけてもらったのは、マイベリー村での別れ際が最後だ。もうずいぶんと、昔のことのように思えた。
……微笑みだけじゃない。もう何日、直接声を聞いていないだろう。
……もう何日、直接触れていな……い、いや! 昨晩の彼女はぐっすりと夢の中だったのだから、あれはノーカウントだ! それに途中からは、奴も一緒だったしな!
俺は目を泳がせて、誰に聞かせるでもなく、内心で言い訳を叫んでいた。
「はははっ!」
……なんだって俺は性悪オオカミと会話をし、あまつさえ笑い合っているのか。だけど不可解なこの状況は、不思議と、そう悪いものではなかった。
俺が奴との会話を終えて外壁に舞い戻ると、ちょうどアイリーンが王妃専用の厨房を出て、ノアールの部屋に歩いていくところだった。
アイリーンは両手に、ほかほかと湯気を立てる雑炊がのったトレイを持って、にこにこと微笑んでいた。
彼女の優しい笑みに、否応なしに焦燥が募る。俺が彼女に直接微笑みかけてもらったのは、マイベリー村での別れ際が最後だ。もうずいぶんと、昔のことのように思えた。
……微笑みだけじゃない。もう何日、直接声を聞いていないだろう。
……もう何日、直接触れていな……い、いや! 昨晩の彼女はぐっすりと夢の中だったのだから、あれはノーカウントだ! それに途中からは、奴も一緒だったしな!
俺は目を泳がせて、誰に聞かせるでもなく、内心で言い訳を叫んでいた。