追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
ん!? あれは、プリエーラか!?
泳がせた目線の先に、偶然プリエーラの姿を見とめ、俺は食い入るようにその動向を追った。
今日のプリエーラはうしろに取り巻きを引き連れてはおらず、ひとりだった。俺はまた、姑息な嫌がらせでも目論んでいるのかとため息をついた。
ところがだ、俺の予想に反し、彼女はアイリーンに駆け寄って、親し気に話し掛けた。両手を合わせてペコペコと頭を下げる仕草は、なにかを頼んでいるようだったが、肝心の声がよく聞こえなかった。
「わかったわ! すぐ持ってくるから、待っていて!」
アイリーンは頷いて答えると、慌てた様子で持っていたトレイを廊下の装飾棚の上に置き、パタパタと厨房に戻っていった。
アイリーンがいなくなると、プリエーラはキョロキョロと周囲に視線を巡らせた。そうして人目がないことを確認すると、棚上に置かれたトレイに歩み寄る。
……なにをするつもりだ?
ところが、肝心の彼女の手もとが死角に入ってしまい、その挙動を見ることが出来ない。焦れる思いで目を凝らすも、角度的な問題は解決されず、決定的な瞬間を見ることは叶わなかった。
クソッ!
泳がせた目線の先に、偶然プリエーラの姿を見とめ、俺は食い入るようにその動向を追った。
今日のプリエーラはうしろに取り巻きを引き連れてはおらず、ひとりだった。俺はまた、姑息な嫌がらせでも目論んでいるのかとため息をついた。
ところがだ、俺の予想に反し、彼女はアイリーンに駆け寄って、親し気に話し掛けた。両手を合わせてペコペコと頭を下げる仕草は、なにかを頼んでいるようだったが、肝心の声がよく聞こえなかった。
「わかったわ! すぐ持ってくるから、待っていて!」
アイリーンは頷いて答えると、慌てた様子で持っていたトレイを廊下の装飾棚の上に置き、パタパタと厨房に戻っていった。
アイリーンがいなくなると、プリエーラはキョロキョロと周囲に視線を巡らせた。そうして人目がないことを確認すると、棚上に置かれたトレイに歩み寄る。
……なにをするつもりだ?
ところが、肝心の彼女の手もとが死角に入ってしまい、その挙動を見ることが出来ない。焦れる思いで目を凝らすも、角度的な問題は解決されず、決定的な瞬間を見ることは叶わなかった。
クソッ!