追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
突入、そしてペット?
「ノアール様、お待たせしました!」
「遅かったね。僕、待ちくたびれちゃったよ~」
私が雑炊のおかわりを手に部屋の扉を開くと、振り返ったノアール様が、ぷぅっと頬を膨らませる真似をしてみせた。
だけどその目はにこにこ笑っていて、まるで怒ってなんていない。それがまた、物凄く可愛かった。
「ごめんなさい。途中でちょっとありまして……。それより、時間が経って、もう、おかわりがいらないようなら、無理に召し上がらなくって大丈夫ですから!」
「ううん! この雑炊、すっごく美味しいんだもの。おかわりがくるの、待ってたんだ!」
私が雑炊の皿を置くのと同時、ノアール様は意気揚々とスプーンを掴んだ。
「いただきます」
「はい、召し上がれ」
ノアール様がスプーンで大きく掬って口に運ぶのを、私はにこにこと見つめていた。
――ガタガタガタッ!
――ガッシャーンッッ!!
その瞬間、いったいなにが起こったのか、すぐには理解が追いつかなかった。
まず、窓が激しく揺れるのを感じた。直後、大きな音とともに窓が割れ、室内にガラス片が散った。