追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
だけど、室内に舞い込んだのはガラス片だけではなかった。キラキラと舞うガラス片を纏わせて、白い疾風が室内を駆け抜けた。
「ガォオオオ――ンッ!!」
……え!? 今のって――!? 耳にした嘶きに、いるはずのない彼の姿が思い浮かんだ。
疾風は咆哮をあげながら、一直線にノアール様に突進し、右手のあたりを突き飛ばしたように見えた。それは瞬きよりも短い、ほんの一瞬の出来事で、私は動くことはおろか、声をあげることもできず、茫然とその場に立ち尽くしていた。
「……っ、いたぁ」
っ! ノアール様があげた小さな呻き声が、私を正気に引き戻す。
弾かれたように目線を向ければ、ノアール様は椅子から転がり落ちて床に尻もちをついていた。
私は、ノアール様の手を離れて転がったスプーンや、皿ごとテーブルから落ちて、無残に飛び散った雑炊を踏み越えて駆け寄った。
「大丈夫ですか!? 怪我はありませんか!?」
「……うん、平気だよ。直接、僕がなにかされたわけじゃないんだ。強い力でスプーンを弾き飛ばされて、驚いて椅子から転げ落ちちゃったんだ」
「ガォオオオ――ンッ!!」
……え!? 今のって――!? 耳にした嘶きに、いるはずのない彼の姿が思い浮かんだ。
疾風は咆哮をあげながら、一直線にノアール様に突進し、右手のあたりを突き飛ばしたように見えた。それは瞬きよりも短い、ほんの一瞬の出来事で、私は動くことはおろか、声をあげることもできず、茫然とその場に立ち尽くしていた。
「……っ、いたぁ」
っ! ノアール様があげた小さな呻き声が、私を正気に引き戻す。
弾かれたように目線を向ければ、ノアール様は椅子から転がり落ちて床に尻もちをついていた。
私は、ノアール様の手を離れて転がったスプーンや、皿ごとテーブルから落ちて、無残に飛び散った雑炊を踏み越えて駆け寄った。
「大丈夫ですか!? 怪我はありませんか!?」
「……うん、平気だよ。直接、僕がなにかされたわけじゃないんだ。強い力でスプーンを弾き飛ばされて、驚いて椅子から転げ落ちちゃったんだ」