追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
私が起き上がるのを手伝いながら問いかければ、ノアール様は思っていたよりも、ずっとしっかりと答えた。
「そうでしたか。怪我がなくて、よかったです」
私は安堵に胸を撫で下ろした。
「それにしてもすごい力で、まだ少しビリビリしてるよ。いったいなにが……っ!?」
ノアール様は空っぽになった右手を握ったり開いたりしながら、怪訝そうに私のうしろに目線を移し、ヒュッと息をのみ込んだ。言葉の途中を不自然に途切れさせたまま、目を皿のように見開いていた。
「あなたは、カダール皇国の虎の聖獣だよね?」
私がうしろを振り返るのと、ノアール様の声は同時だった。
振り返った私の目に飛び込んだのは――。
「プリンス――!!」
頭の中では、いっぱいの「どうして?」がぐるぐると回っていたけれど、いったいなにから聞けばいいのか、なにを聞くべきなのか、極度の混乱の最中にあってまともな筋道など、とてもではないが立てられそうになかった。
だけど考えるよりも前、まるで吸い寄せられるように、足が一直線にプリンスのもとに向かっていた。
「ガウッ!」
「そうでしたか。怪我がなくて、よかったです」
私は安堵に胸を撫で下ろした。
「それにしてもすごい力で、まだ少しビリビリしてるよ。いったいなにが……っ!?」
ノアール様は空っぽになった右手を握ったり開いたりしながら、怪訝そうに私のうしろに目線を移し、ヒュッと息をのみ込んだ。言葉の途中を不自然に途切れさせたまま、目を皿のように見開いていた。
「あなたは、カダール皇国の虎の聖獣だよね?」
私がうしろを振り返るのと、ノアール様の声は同時だった。
振り返った私の目に飛び込んだのは――。
「プリンス――!!」
頭の中では、いっぱいの「どうして?」がぐるぐると回っていたけれど、いったいなにから聞けばいいのか、なにを聞くべきなのか、極度の混乱の最中にあってまともな筋道など、とてもではないが立てられそうになかった。
だけど考えるよりも前、まるで吸い寄せられるように、足が一直線にプリンスのもとに向かっていた。
「ガウッ!」