追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
ノアール様はパタパタとクロフに駆け寄ると、場に不釣り合いな明るい声で答えてみせる。とはいえ、窓は「ちょこっと」のレベルを悠に越え、木っ端みじんの有様だ。
当然、クロフが納得するはずもなく、その目はますます剣呑な光を帯びた。
「ノアール、それはどうしたのですか?」
「捕まえたの。僕のペットにするんだ!」
クロフの低い問いかけに、ノアール様は動じることなく堂々と答えてみせた。
「捕まえた……?」
「そう! 窓に張り付いてたのを捕まえたんだ。ただ、その時にちょっとしくじって、アイリーンのせっかっくの食事を無駄にしちゃったんだ。ついでに窓もね。本当にがっかりだよ」
どうやらノアール様は、「混入」の一件をクロフに伏せておくつもりらしい。ノアール様が秘そうとしていることを、部外者の私が横からしゃしゃり出て告げることに抵抗はある。
けれど、疑惑の段階ならまだしも、こうして実害を被ったからには、クロフに打ち明けて警備体制を強化するべきだ……!
僅かな逡巡の後、私は命が脅かされる状況に待ったはないのだと思い直した。
当然、クロフが納得するはずもなく、その目はますます剣呑な光を帯びた。
「ノアール、それはどうしたのですか?」
「捕まえたの。僕のペットにするんだ!」
クロフの低い問いかけに、ノアール様は動じることなく堂々と答えてみせた。
「捕まえた……?」
「そう! 窓に張り付いてたのを捕まえたんだ。ただ、その時にちょっとしくじって、アイリーンのせっかっくの食事を無駄にしちゃったんだ。ついでに窓もね。本当にがっかりだよ」
どうやらノアール様は、「混入」の一件をクロフに伏せておくつもりらしい。ノアール様が秘そうとしていることを、部外者の私が横からしゃしゃり出て告げることに抵抗はある。
けれど、疑惑の段階ならまだしも、こうして実害を被ったからには、クロフに打ち明けて警備体制を強化するべきだ……!
僅かな逡巡の後、私は命が脅かされる状況に待ったはないのだと思い直した。