追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「祖父母というのは関係ありません。証拠さえ揃えば、すぐに法に則り適正な処罰をくだします。ラファーダ王国は、厳正なる法治国家ですから」
 俺が聞きたかったのは、バーモン侯爵夫妻への沙汰ではなく、こいつ自身の身の振り方だったのだが……。
 どうやら肝心の部分をサラリと躱されてしまったようだった。
「とはいえ、ノアールの部屋は窓の入れ替え作業のため、既にガラス片の撤去や清掃が施され、現場の保持はされていません。雑炊を吸って汚れた絨毯や、皿などは保存してありますが、肝心の証拠である混入物の発見は難しいでしょう」
 クロフの続く言葉は、まさに俺が危惧していたものと同じだった。
『そうだろうな。もっと言えば、先の魚の例もある。今回混入された物も、場合によっては時間の経過や、なにがしかの反応で無毒化する可能性だってある。混入の現場が押さえられなかった時点で、立証は難しかっただろう』
 奴は少し考え込んだ後で、重く口を開く。
「……ノアールたちの、明日の外出が心配です」
 明日は、前王妃の墓参りを兼ね、ノアールやアイリーン、王宮に滞在中の令嬢らで慰霊のピクニックが予定されていた。
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