追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
翌日、王宮前広場には、慰霊のピクニックに出発する面々が集まっていた。
墓参りだけでなくピクニックを兼ねる今日は、馬車を用立てずに徒歩で向かう。アムルの丘の麓までは、徒歩でおよそ三十分の道のりだ。三十分と聞けば近場にも思えるが、拓けたアムルの丘は広大で、麓に到着してからも、霊廟まではまた少し距離がある。春先のピクニックには十分だ。
このピクニックに向かうのは、アイリーン、ノアール、プリエーラ、その他三名の令嬢と俺だ。更に、うしろにはノアール付きの護衛官二名が追従するが、彼らはノアールの安全が脅かされない限り、表立って声をあげることも、一行の行動を妨げることもない。
「あの、ノアール殿下? そちらの大きなペット、噛みついたりはいたしませんの?」
令嬢のひとりが、ビクビクと俺を窺いながら、遠慮がちにノアールに問いかけた。
「ん~、普段は噛まないけど、僕に悪さする奴を見つけたら噛み千切っちゃうかもしれないね」
ノアールの答えに、令嬢らは真っ青な顔をして震え上がった。後ろ暗いところでもあったのか、プリエーラがヒュッと息をのんだのを、俺は見逃さなかった。
墓参りだけでなくピクニックを兼ねる今日は、馬車を用立てずに徒歩で向かう。アムルの丘の麓までは、徒歩でおよそ三十分の道のりだ。三十分と聞けば近場にも思えるが、拓けたアムルの丘は広大で、麓に到着してからも、霊廟まではまた少し距離がある。春先のピクニックには十分だ。
このピクニックに向かうのは、アイリーン、ノアール、プリエーラ、その他三名の令嬢と俺だ。更に、うしろにはノアール付きの護衛官二名が追従するが、彼らはノアールの安全が脅かされない限り、表立って声をあげることも、一行の行動を妨げることもない。
「あの、ノアール殿下? そちらの大きなペット、噛みついたりはいたしませんの?」
令嬢のひとりが、ビクビクと俺を窺いながら、遠慮がちにノアールに問いかけた。
「ん~、普段は噛まないけど、僕に悪さする奴を見つけたら噛み千切っちゃうかもしれないね」
ノアールの答えに、令嬢らは真っ青な顔をして震え上がった。後ろ暗いところでもあったのか、プリエーラがヒュッと息をのんだのを、俺は見逃さなかった。