追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
そうして、少しでっぱった毛むくじゃらの口に、チュッと唇を押し当てた。モフモフとした体毛が、ちょっとだけくすぐったいと思った。
けれど、私がくすぐったい感触を得たのは、ほんの一瞬だった。
……え!? くすぐったいそれは、すぐに弾力に富んだやわらかな感触に変わる。毛とは違うハリを持つ、しっとりとした人肌の温もりが唇を通して伝わる。
咄嗟に、瞑っていた瞼を開いた。目に飛び込んだのは、その感触から予想した通り、人型のカーゴだった。
っ! 驚きに、心臓が止まってしまうんじゃないかと思った。だけど驚きは、すぐに苦しいくらいの喜びに押し流された。
プリンスに拭われて一度は乾いたはずの涙が、ホロリと一滴、頬を伝って落ちた。
「……おかえりなさい」
重なり合った唇がゆっくりと離れていく。その隙間を埋めるように囁いた私の開口一番に、カーゴはキョトンとした顔をした。
それを見るに、もしかするとカーゴはまだ、自分の変化に気づいていないのかもしれないと思った。
私はスッと手を伸ばすと、カーゴの頬に手のひらをあてた。手のひらから、プリンスとは違う、しっとりとした人肌の感触と温もりが伝わる。
けれど、私がくすぐったい感触を得たのは、ほんの一瞬だった。
……え!? くすぐったいそれは、すぐに弾力に富んだやわらかな感触に変わる。毛とは違うハリを持つ、しっとりとした人肌の温もりが唇を通して伝わる。
咄嗟に、瞑っていた瞼を開いた。目に飛び込んだのは、その感触から予想した通り、人型のカーゴだった。
っ! 驚きに、心臓が止まってしまうんじゃないかと思った。だけど驚きは、すぐに苦しいくらいの喜びに押し流された。
プリンスに拭われて一度は乾いたはずの涙が、ホロリと一滴、頬を伝って落ちた。
「……おかえりなさい」
重なり合った唇がゆっくりと離れていく。その隙間を埋めるように囁いた私の開口一番に、カーゴはキョトンとした顔をした。
それを見るに、もしかするとカーゴはまだ、自分の変化に気づいていないのかもしれないと思った。
私はスッと手を伸ばすと、カーゴの頬に手のひらをあてた。手のひらから、プリンスとは違う、しっとりとした人肌の感触と温もりが伝わる。