追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 これから行われる父子の話し合いにより、ノアール暗殺未遂に端を発した、一連の王位継承問題は、早々に解消するだろう。そうしてラファーダ王家の絆は、一層深まるに違いない。
「……それで? わざわざそれを伝えるために俺を追いかけてきたのか?」
「それもありますが、あなたを追ってきた一番の理由は、変化の指導です」
「は?」
 思いがけない答えに、素っ頓狂な声をあげる俺に、奴は「そんなこともわからないのか」とでも言いたげに、フッと口もとを歪ませた。
 いつもなら鼻について仕方ない、人を小馬鹿にしたような奴の態度。しかし今は、どことなくホッとする思いだった。
 やはり強敵には、それらしくいてもらわないと調子が狂うというものだ。
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