追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
モフモフたちからのプロポーズ
翌朝、私が自室の扉を開くと、廊下に可愛らしい花束が置かれていた。
……え? なんで花束が?
腰を屈めて取り上げると、花束のリボンにカードが挟まっているのに気づく。逸る思いで、丁寧な文字で綴られたメッセージを目で追った。
【アイリーンへ。まず、改めて君が無事で、本当によかった。君を腕に抱き締めた時は、どんなに安堵したことか。けれど安堵と同時に、俺は君の無事にすっかり舞い上がり、状況認識が疎かになってしまっていた。そのせいで君に嫌な思いをさせてしまったこと、本当にすまなかった。君の無事を祝って、そして、謝罪の気持ちを込めて。カーゴより】
メッセージを読んで、自己嫌悪に押し潰されそうになった。
カーゴが私に謝るのは間違っている。むしろ、カーゴに謝らなければならないのは私の方だ。
助けてもらって、こんなにも心配してもらって……。なのに私は、バスローブを放り投げて叫んで逃げて、それっきり。
カーゴに申し訳なくて、苦しかった。苦い思いで花束をキュッと胸に抱き締めれば、ふわりと優しい香りが立ち昇る。
……あとで、ちゃんとカーゴに謝ろう。