追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 香りとともにカーゴの思いやりと心づかいが胸に沁み渡った。

 カーゴからもらった花を生けた後、私がノアール様の朝食の準備に取り掛かるべく、王妃専用の厨房に向かっていると、王族の居住スペースの方から、ぴょこぴょことぬいぐるみ……ではなく、変化したノアール様が駆けてきた。
 なんて、可愛い――!
「おはようございます、ノアール様。今朝は獣化してらっしゃるんですね?」
 ノアール様は尾っぽを振りながら、屈んだ私の膝にぴょーんっと飛び込むと、伸び上がって私の頬にもふもふもふーっと頬ずりした。
 わ! わっ!? わぁああぁ~~っっ!!
 私はチビちゃんの、極上の羽毛よりも、なおやわらかなモフモフにとろけた。
 プリンスは、今更言うまでもなく、もっこもこのモフモフ。
 クロフは、ちょっとだけサラサラ寄り、ツヤツヤのモフモフ。
 ノアール様の毛質は彼らとはまた違い、ふぅわ~っと、とろけるよう。まさに、ふわっふわのモフモフなのだ――!
「昨日の今日です、どこか痛みがあったり、体に不調が残っていたりはしませんか?」
「きゅっ」
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