追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 衝撃に目を見開いて固まっていると、すかさずクロフがやって来て、私の胸にすっぽりと収まるノアール様に向かって腕を伸ばす。
 え!?と思った時には、クロフがノアール様の肩を掴み、ポイッと国王様の方に放った。
「アイリーンに求婚しようなど、あなたには十年早いですよ。……もっとも十年後には、アイリーンは私の妻になっていますがね」
 ……え、ちょっと待って!? クロフはいったい、なにを言っているの?
 ただでさえノアール様からのプロポーズに混乱しているところに、クロフが更なる混乱を運び込む。
「兄様ひどいです! 横暴です!」
「おや、私が横暴とは聞き捨てなりませんね。私が本当に横暴なら、恋敵を同じ食卓には誘いませんよ。どうですノアール? あなたとアイリーンに夫婦という形はあり得ませんが、あなたは大切な弟です。あなたの態度次第で、私たち夫婦の食卓に誘ってあげることもやぶさかではありません」
「っ、それこそ、とんだ横暴もあったものだよ! 兄様はきっと、将来は立派な暴君だ……!」
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