追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 ……えぇっと、私が一言「是」と答えれば、この極上モフモフが生涯、私だけのもの……?
「……父様、兄様はひどい人です。見た目に違わず、兄様はその中身も真っ黒けっけだ。僕だってアイリーンが大好きで、僕だってやわらかなモフモフで彼女を包んであげられるのに……」
「そうじゃな、わしもクロフが腹黒なのは薄々感じておった。だがな、そなたも諦めるのはまだ早いぞ。アイリーン殿がそなたの嫁になるにしろ、クロフの嫁になるにしろ、まずはラファーダ王国に留め置くことが大前提じゃ。この場はひとまずクロフに任せ、彼女が我が国に残った後で、じっくりそなたの魅力を知ってもらえばよいんじゃ。のう? そなたが選ばれる可能性は、まだ十分に残っておろう?」
「……初めて知りました。父様は変化できないけど、黒オオカミっぷりは兄様にだって負けていませんね」
 国王様とノアール様のやり取りも、思考がとろけた今は遠い。
 どうしよう……。私、この幸せモフモフの威力に逆らえない。ずっとこの、幸せモフモフに埋もれていたい……。
 ――バッターンッ!
< 208 / 216 >

この作品をシェア

pagetop