追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「待って父上、なんだか雲行きが怪しいよ!? アイリーンが兄様じゃなく、白モフを選んじゃったんじゃない!?」
「大丈夫じゃノアール、慌てるでない。たしかにアイリーン殿争奪レースは、現在、白虎の殿下が一歩リードしておる。しかし、それは所詮モフモフでの遅れ。クロフもノアールも諦めるには早い。まだ、人型での勝負が残っておる」
「そっか!」
 真白いモフモフ天国にどっぷり浸かった私は、ギラギラと燃える四対の目が激しい火花を散らしていることに気づかなかった。

 吊り橋の事件から二週間が経つ頃には、ノアール様は料理長らの作ったメニューを完食できるようになった。
 役目が一区切りとなったこのタイミングで、私はマイベリー村への帰還を決めた。
 そして今日、私たちは一カ月近くを過ごしたラファーダ王国を出立するのだが、驚くべきことに国王様が、宮殿前の馬車止めまで見送りに出てくれていた。さらにその横には、クロフとノアール様まで並んでいた。
「帰ってしまうんじゃな」
「はい。本当によくしていただいて、ここはとても居心地がよかったです。けれど私の居場所はやはり、マイベリー村ですから」
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