追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「ううん、悪くないどころじゃないわ。むしろ役得……って、駄目駄目! カーゴは真剣に悩んでるんだから、間違ったってモフモフ天国を喜んじゃいけないわ!」
必死に自分に言い聞かせるも、ガラス窓に映る私の表情には、隠し切れない邪さが滲んでいた。
邪な自分をこっそりとカーテンの裏側に隠すと、私はカフェに向かうべく、支度を始めた。
***
燦々と注ぐ陽光を、モフモフの毛皮に浴びていた。
本来なら、こんな天気の日は、人型でいるはずだ。なのに今、俺はモフモフの猛虎だ。
……ショックだった。猛烈にショックだった。
だけどどんなにショックを受けようが、俺の耳も尾っぽももう、垂れはしない。何故なら、耳も尾っぽも既に極限まで垂れさがっており、これ以上下がりようなどないからだ。
「クゥン……」
モフモフの背中を丸めて項垂れる俺は、カーゴ・アル・カダール。カダール皇国の第一皇子で、正統な皇位継承者だ。
ただし、俺の皇位継承には、唯一にして絶対の条件がある。それは、獣化・人化のコントロールをマスターすること。
必死に自分に言い聞かせるも、ガラス窓に映る私の表情には、隠し切れない邪さが滲んでいた。
邪な自分をこっそりとカーテンの裏側に隠すと、私はカフェに向かうべく、支度を始めた。
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燦々と注ぐ陽光を、モフモフの毛皮に浴びていた。
本来なら、こんな天気の日は、人型でいるはずだ。なのに今、俺はモフモフの猛虎だ。
……ショックだった。猛烈にショックだった。
だけどどんなにショックを受けようが、俺の耳も尾っぽももう、垂れはしない。何故なら、耳も尾っぽも既に極限まで垂れさがっており、これ以上下がりようなどないからだ。
「クゥン……」
モフモフの背中を丸めて項垂れる俺は、カーゴ・アル・カダール。カダール皇国の第一皇子で、正統な皇位継承者だ。
ただし、俺の皇位継承には、唯一にして絶対の条件がある。それは、獣化・人化のコントロールをマスターすること。